(2)県産資源を利用したコふディェライト系
セラミックスの製造(第1報)
化学部 池 辺
県産資源の有効利用を図るため、金属◎ セラミッ クス複合材料製造技術の開発研究の一環としてコー ディェライト系セラミックスの製造研究を行った。
その際、セラミックスの焼成については高温炉が 試験場に無いため、九州工業技術試験所の設備を利 用させて頂いた。このため、実験を充分には行えず コーディェライトの合成には成功したものの、物性 試験用の供試体の焼成には失敗した。
幸い、平成4年度に高温炉の導入が決定している ので、供試体の焼成についてはこれの導入を待って 再開することとし、今回は第1報として途中経過を 簡単に報告する。
1 はじめに
コーディェライト(2M
gO
申2A1203。5Si O
2)
は熱膨張係数が小さく、耐熱衝撃性が大きいので、 電熱機器用耐火物や耐電弧用磁器といった熱衝撃が かかる部分の耐火物に使われる。最近では自動車の 排ガス処理装置の触媒担体として使用されている。
また、遠赤外線の放射率も高く、低熱膨張性もあ って遠赤外線放射材料としても利用されている。
特に後者の特性に注目して北海道や高知県の公設 試験場においても、地場資源を利用しての研究報告
がなされている。1)
今回、大分県では相調蚤裏当て材」としての利用 を当面の目標とした。
溶接裏当て材は、既に、コーディェライト製のも のが市販されているが、かなり高価である。使い捨 てということもあり低価格化が望まれている。
県内の末合低利用資源を利用することにより原料 コストを減らして溶接裏当て材を低価格化すること また、同時に末合低利用資源の高付加価値利用を図 ることを目的として研究を行った。
2 原材料¢試薬とその調整 (1)原材料。試薬
主原料たる県産資源としては耐火粘土(商品名別 府白土)と蛇紋岩を、配合調整用の試薬としてはα アルミナ(和光純薬工業㈱:研磨用1〃)、酸化マグ ネシウム(同:軽質、化学用)を使用した。
また、成形用のバインダーにはメチルセルロース 25cp(同:化学用)を使用した。
(2)原材料の調整
耐火粘土については別府白土砿業㈱より水簸品 (通常出荷品)を提供して頂いた。弱冠、石英粒子 の混入が見られたため150/∠の標準ふるいで粗粒分 をカットして使用した。
蛇紋岩は現在採掘されていないため、大分市内の 山中で直接採取し、ジョ山クラッシャー、ブラウン ミルを経て、最終的にジェットミル(㈱セイシン:
SKマイクロジェットミルCPN】04型)で微粉砕し
た。ジェットミルでの処理速度は1.8∼7.5kg/時、 微粉末の中心粒径は2∼4〃、集率は55∼30%であ
った(ポットの方に回収された分も粗大粒子を含む ものの大半は2∼4/‘ に粉砕されており、分級装置 を導入すれば集率はほぼ100%と考えられる)。
実験に使用した蛇紋岩粉と耐火粘土の粒度分布の 測定結果を図1示す(㈱セインン:SK LASE王之 PRO−7000S使用)。
3 実験方法 (1)反応焼結法
コーディェライト焼結体を得るには、反応焼結法 とクリンカ山焼結法の2通りがある。
いずれの配合においてもR50〔C前後でムライト及
びフォルステライトが生成、12500Cからコーディェ
ライトが牛成し始め、1280∼14000Cの問はコーディ
エライトが主成分となっている。14500Cのサンプル
についてはいずれもガラス化していた。
配合3及び配合5においては1280∼1400CCの範囲
においてもムライト(3A120382Si O
2)の残留が
認められるが、これは配合3及び配合5において酸
化マグネシウムがアルミナに対し少量であるためコ
ーディエライト牛成時にムライトの一部が未反応で
残るためと考えられる。
であるが、今回は低コスト化を目標ヒしているため
反応焼結法を選択した。技術的にも、反応焼結法で
実用化ができるものであれば、クリンカー焼結法で
も:対応可能と考えられる。
(2)配合
耐火粘土と蛇紋岩の成分分析結果を表1に、原材
料及び試薬の配合を表2に示す。
表1原料の成分分析結果
Si O
2 Al ,0。M
gO
CaO
Fe203(合計)
37.7 0.16 36.3 0.08 8.32 82.58% 45.4 37.7 0.ユ5 0.33 3.54 87.12%
(分析:化学部 北坂)
蛇紋岩 耐火粘土
5 まとめ
県塵資源を利/弔してコーディェライトセラミック
スの製造をした。この結果以下のことが判明した。
① 県産資源のみを原料とした、理論成分比を外
れた配合においてもコ」ディエライトは生成す
る。)
②コ」ディエライトの生成温度は12500C以上、
また1450〇Cからガラス化を始める(純粋な薬品
からコーディェライトを合成する場合、生成温
度は14000C以上)。
焼結体の物性については、高温電気炉を導入次第
早急に実験したい。
最後に設備利用でお世話になった九州工業技術試
験所の鋤本先生にヌ寸し謝意を申し上げます。 コーディエライトの組成は、酸化マグネシウム、
アルミナ、二酸化ケイ素(ケイ酸)が2:2:5の
モル比で構成されている。これまでの研究では試薬
等を使用して混合杯上の成分比をこの値に合わせて
きた。しかし、今回は原料コスト削減が主眼である
ため意凶的に配合をずらし、コーディェライト生成
の有無や焼結体の物性について調べることにした。
配合1∼3は2つの県産資源のみの組み合わせに
よる配合である。 価格的には蛇紋岩の方がカオリン
より安価になると考えられるため、配合2が最も低
価格の組み合わせになると考えられる。
配合4はアルミナ試薬を加えて理論配合としたも
の、配合5はカオリンを主原料にし寓アルミナ配合
としたものである。
(3)焼成条件
コーディエライト生成温度範囲の確認については
以」F■ の焼成条件で行った。
540O
C、850CC、]000CC、110O
nC、のサンプルにつ
いては、東洋製作所㈱のオペルーサー01)Mを使用、
所定の温度でi 時間ホールドして焼成した。
1200℃、12500C、12800C、1300〇C、13500C、14000C、
14500C、のサンプルについては九州工業技術試験所
の(㈱本山製作所)スーパ、バ」ンSHを使用し、
所定の温度で40分間ホールドして焼成した。
参考文献
1)北海道立工業試験場報喜 No.286(1987)
No.287(1988)
高知県工業試験場報告 N
o.20(1989)
表2 原料の配合
4 結果及び考察
配合1へノ5について、焼成温度と生成物のⅩ線回
折結果を区ほへ6に示す。
(Ⅸ4g:入4gO 酸化マグネシウム、Al :A120アルミナ、 Si 二Si O2二酸化ケイ素)
M
】CRO
N
V %
1 0.1 0.0
2 0.2 0.0
3 0.4 0.6
4 0.6 i 。8
5 0.8 3,9
6 1.0 7.1
7 1.5 i 3。6
邑 2.0 23。6
蛇紋岩微粉
ミス ̄
USV 5ml n
9l .6。1一塁
苫ⅩEBE
シ タ
O
NO
l カイメ ソクテイ
サンフ○嵐
フ、ンサンハ≠イ
ブ、ンサンシ ̄ヨウケン
ソクティヒー
ソクティシャ
ワ熟イ
シープ ̄カット (X)
ニンイリュウサイ
ヒ、コウ
ー Sur f ac e −
245&6.2(川招/c m3
− Aver age −
3,43 mi c .
1
ノ
0
0
n
U
O
O
O
% 0 ︵ 8 6 d 0 2 ︵ l30 9 3.0 41。5
10 4.0 6i .5
24 11 6.0 81.1
12 8.0 92.3
18 13 12.n 98.O
14 16.Ol(10.0
12 15 2・l .0 100.O
i 6 32.0 100。0
6 17 48。0 100.0
1邑 64.0 100.0
0 19 96.0 100.0
0
2i 192。0 100。0
且00 (mi (∴)100
聞富CRO
N
V %
1 0.1 0.3
2 0.2 1.1
3 0.4 3。7
4 0.6 7.6
5 0。8 12.6
耐火粘土
ミス ̄
150W USW l mi n
91.6.18
1ⅩEBE
シ タ
O
NO
サンフ●胤
フ“ ンサンハ ̄イ
ブ、ンサンシ、ヨウウシ
ソクティし ̄
ソクティシサ
ブ&イ
シープ∵炉汗 (%)
ニンイリュウウイ
ヒl コウ
ー Sur f ace −
39332.O c m2/em3 6 1。0 18.3
− Åver age − 7 1。5 29.5
2.99 汀I i c . 8 2,0 42.6
ヽノ
0
%
0
︵
l
一−
15 9 3。0 50。1
10 4.0 54.6 12 11 6。0 59.7
12 8.0 64.1
9 13 12。0 69.8
14 16。0 75.5
6 16 24.0 85。2
16 32。0 9i .4
3 旦7 一隻8.0 99。8
18 64.0 100.0
0 19 96。0 100。0
■⋮...一....−
L
.−=≡■−
L
..▲...‘
l
﹂.一.⋮童..トー
0 0 0 0 0 8 6 ▲ 4 2 [〓〓= n 〓 √−
軋
川
J
〓〓=
⊥ J
−●  ̄・ ̄−’
ニニ.一
鼠00 (mlc .)1000 20 128.0 100。0
21 192、0 100.0
10
「 VTノⅧ【
沈ふミふルし山」
〔、 =ト ディエライト 「.フ1ノもスう∵ライ ま M◆ ムライト C:コディエライト
F:フ1ルスケライト
M:ムライト h ア イ r c 」皿′W
し
;、
璧 浬
>く ‖ 00℃
B501:
』』 L転
±
』這
i 5 25 55 J 15〔2 β)55 58
L- - h- i
J ▼】■ ̄ ̄■−{−→ ̄一 ▼■ ̄ ̄ ̄一■√
5 25 55 45(2β)55 6B
図3 焼成体のX繰回折図(配合2) 図2 焼成体のX繰回折図(配合i )
山、ふ_J J 一項
」2㈹て
h
J 」山L五止血」ノし山
C
血
正調巌ノ山」
︵
S
L
︺︶
配
貨肇
X
ソ〕
廻 漕 璧
C∴1−デイ1ブイト t :7]ルステライ≡ M:ムライト r ノ ー イ1ノイ
ド ニ1㌧卜しス∴ ノ ′
M ノ†「
“ 醒℃臼 日
J しJ 」症山一〟
㌢‘ 1t 001
∨叫一一一、山−一叫
L
L』遮 ∴
!5 25 55 45(2 β)55 6日
図5 焼成体のX緑屈蘭琶(配合4)
7
三5 25 55 ま5(2 β)55 5日
15k
伽
‖
﹂
姦召‖‖
.∴
﹂
︺
Ⅷ
︺
Ⅰ2鋤T
展
」L.J し、肌∼山帆ふ
︵
S
︹︸
U
︶
軸華譜ズ
「
〔: コーディJ ライト 】:フォルステライト M:ムライト
5 i 5 25 55 45(2 8)55 6日